丸山茂樹さんは、ゴルフ界におけるタイガー・ウッズ選手の存在意義を語る。
【写真】2019年、ZOZOチャンピオンシップ優勝会見でのタイガー・ウッズ
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タイガー・ウッズ(47)が右足首を手術しました。マスターズのときに引きずってましたけど、まさか手術までいくとは思ってませんでした。うーん、かわいそうですね。
僕がゴルフ人生で大きな影響を受けた一人がタイガーです。1998年の「プレジデンツカップ」は僕が絶好調で、ダブルスでタイガーにも勝って、MVPをもらいました。そのあたりから仲よくなりはじめて、翌年に日本でやったイベントでも一緒になってね。
僕がアメリカに渡る前の99年に「マル、PGAに来るんだってな」って。「行くよ」って返したら、「ウェルカム」なんて言ってくれましたね。そこから僕がアメリカを拠点にした最後の2008年までは、会うと仲よくさせてもらったかなと思います。向こうが年下だけどね。ハハ。
彼がどんなプレーをするのかには非常に興味があったので、僕がアメリカに渡ってからは何週間に1回かは彼の練習を1時間ぐらい見学して、どんなクラブを使ってるのかとか、どんな考え方をしてるのかを学びました。
つたない英語で自分なりに会話をしたり、時には自分のマネジャーに通訳を頼んだり。世界のスーパースターですから、いろんなことに興味がありました。僕みたいにしつこく聞いた日本人はいないんじゃないかなと思います。ハハハハ。
タイガーの言葉で一番印象に残ってて、いろんな人に伝えてきたのは「ゴルフは攻撃的な部分だけではダメだ。防御力もなきゃいけない」「攻撃と防御のバランス、ポジティブとネガティブのバランスをしっかりと持って戦うんだ」というものですね。
タイガーの全盛期にキャディーを務めたのがマイク・コーワン(通称フラフ)とスティーブ・ウィリアムスでした。僕はタイガーが彼らとどんな会話をするのかに注目しました。
試合で同じ組になると、ティーショットは彼の方が飛ぶから、2打目を打ち終わったあとに彼の近くまでいって、キャディーとの会話を盗み聞きして勉強しましたよ。そこで学んだこともいっぱいあります。