B'z/マキシマム ザ ホルモン/MONOEYES/Suchmos/Dragon Ash【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017】初日レポ<後編>
B'z/マキシマム ザ ホルモン/MONOEYES/Suchmos/Dragon Ash【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017】初日レポ<後編>
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 2017年8月5日、茨城・国営ひたち海浜公園にて、今年で18回目となる【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017(以下、RIJF)】が開催。2週にわたって全4日間行われるフェスティバルの初日となるもので、企画制作のロッキング・オン・ジャパンによると、この日は約6万8,500人を動員したとのこと。Billboard JAPANでは、50組を超える初日出演アーティストの中から一部抜粋して、そのライブの模様をお伝えしたい。

ロッキン初日写真<後編>(全26枚)


 ゴールデンボンバーの笑いと興奮のステージでスタートした<GRASS STAGE>に次いで登場したのは、Dragon Ash。結成20周年イヤーを迎えた彼らのステージは、5月にリリースされたアルバム『Majestic』収録の最新ナンバーからスタート。メッセージ性のある歌詞と激しいミクスチャー・サウンドで観客を興奮の渦に巻き込んでいく。「今日を楽しみにしていた全ての人に楽しむ権利がある」というKj(Vo)の言葉通り、観客だけでなく、この日のステージを楽しみにしていたメンバー自身も楽しんでいる姿が印象的なステージとなった。

 暑い日差しが照らすステージにゆったりと姿を現したSuchmos。【RIJF】初出演にしてメイン・ステージへの大抜擢という注目の話題を提供した当の本人たちはリラックスした様子で、「揺れよう」とYONCE(Vo)が声を掛ければ、開演前の興奮もどこ吹く風、観客は思い思いに身体を揺らし始める。そんな風に会場をSuchmos色に染めたところで、「愛する故郷、茅ヶ崎の曲」と「Pacific」を披露。肩の力を抜いたラフなグルーヴとヴォーカリゼーションで、炎天下の会場を一気にクール・ダウン、海沿いに吹く涼しげな風を思わせるショーだ。終盤では「もっと踊ろうぜ」と代表曲「STAY TUNE」を投下。会場は待ってましたと言わんばかりの盛り上がりに。抜群のリズム・センスと堂々とした佇まいで終始会場を魅了し、今最も勢いのあるバンドのパフォーマンスを見せつけたのだった。

 続くMONOEYESは、『スターウォーズ』のテーマ曲で登場。会場から大きな歓声が上がると、それに応えるかのように「When I Was A King」「My Instant Song」といった人気曲を披露。炎天下の下、飛び跳ね手を上げ盛り上がる観客を心配したかと思えば、「倒れても知ったこっちゃない」と細美節溢れるMCでも会場を盛り上げていた。7月にリリースされたばかりの最新アルバム『Dim The Lights』に収録されている楽曲も披露され、まるでワンマン・ライブを観ているかのように贅沢なステージとなった。

 マキシマム ザ ホルモンが【RIJF】に帰ってきた。2015年から約2年間ライブ活動を休止していたホルモンにとって、【RIJF】のステージも3年ぶりだ。5月から6月にかけて開催された【耳噛じる真打 TOUR】のチケットを勝ち取ることができなかったファンも大勢集まったのだろう。約6万人を収容するという<GRASS STAGE>を人が埋め尽くしている。お馴染みのオープニング、SPACE COMBINE「Marching Mint Flavors」が鳴り始めると早くも観客は色めき立ち、1曲目に「恋のメガラバ」が投下されたのだからボルテージはさらに急上昇、客席エリアは興奮の坩堝となる。開口一番「えげつな…。なんやこの景色」とダイスケはん(キャーキャーうるさい方)。観客の大歓声にナヲ(ドラムと女声と姉)も「ウチの2人目(の子供)がまだ寝たところなんでやめてください!」と話す口調はどこか嬉しげだ。続けて「ぶっ生き返す!!」「爪爪爪」「シミ」「便所サンダルダンス」とキラー・チューンを出し惜しみなく披露する。空白期間で薄れてしまったマキシマム ザ ホルモンという刻印を再び【RIJF】の歴史に刻み付けるかのような、闘気に満ち満ちたパフォーマンスであった。主にダイスケはんとナヲによる軽快なMCトークもスベリ知らずだし、ラストのホルモン流ダンス・ナンバー「恋のスペルマ」まで、“マキシマム ザ ホルモン、ここに復活!”と、そんな力強い宣言とも思えるステージになんだか嬉しくなってしまったのだった。

 初日メイン・ステージのトリ、B'zが登場だ。今年で18回目の開催となる【RIJF】に彼らは初出演。分かっていたことではあるがその注目度の高さはやはり別格で、<GRASS STAGE>には全てのフェス来場者が集結したのではないかと錯覚するほどの大観衆。(その頃、真裏の<LAKE STAGE>に登場した岡崎体育はそれをネタにして、「B'zの裏はキツい」という謎の新曲を披露していた。)多くの音楽リスナーにとって、もはや神格化されていると言っていいB'zが肉眼に映るというだけでもあまりにセンセーショナルな体験だが、セットリストは全て新旧のシングル表題曲というミニ・ベスト・セレクション的な内容で、コア・ファンはもちろん、“せっかくだから…”ぐらいのモチベ―ジョンに誘われた初見オーディエンスまで等しく興奮させる、鮮烈なステージであった。激しいパーカッションが聴き手を奮い立たせるOPSEとともにサポート・メンバーが登場、続いて稲葉浩志(Vo)と松本孝弘(Gt)がステージに姿を現すと、火花の特効と稲葉の雄叫びとともに「さまよえる蒼い弾丸」でスタート。観客のテンションは早くも沸点に達し、それは以降の楽曲でも全く下がることなく会場を熱帯に変えていく。「ROCK IN JAPAN ようこそ!」という稲葉の言葉通り、会場が完全にB'zのための舞台と化したところで、松本のギター・ソロを筆頭に各楽器の見せ場も交えながら、比較的新しめのナンバーを披露していく。「ワオ、なんて素敵な景色なんでしょう。こんな素晴らしいものが見られるんだったら、もっと早く来ればよかった! みなさんの歌声を聴かせてもらっていいですか?」とシングアロングを求めれば、90年代の大名曲「裸足の女神」へ。さらにその後もハイエナジーな楽曲をほぼノンストップで披露して盛大に本編を締めくくる。続くアンコールはやはりこの曲、「ultra soul」だ。客席エリアではもちろん大合唱とハイジャンプが巻き起こる一方で、終演後の混雑を回避するため出口へと向かっていく人達までもが「ハイ!」と飛び跳ねている。ショーは約1時間に及んだが、最後まで熱量が落ちることなく進んだステージに、日本を代表するモンスター・バンドの圧倒的なエネルギーを感じた気がした。


◎イベント情報
【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017】
2017年8月5日(土)~6日(日)
2017年8月11日(金・祝)~12日(土)
茨城・国営ひたち海浜公園