【シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽】と題されたコンサートが3月22日、23日に東京・Bunkamura オーチャードホールにて開催され、作曲・編曲・総監督を担当する鷺巣詩郎と、高橋洋子が取材に応じた。
3月22日には、高橋洋子のデビュー25周年を記念して鷺巣詩郎とタッグを組んだコラボシングル『Welcome to the stage!』をリリース。このスペシャルなタッグは高橋から「『エヴァンゲリオン』の楽曲をボーカライズしてみたい」と相談を受けた鷺巣が、「それなら『シン・ゴジラ』も歌ってください!」と逆にアプローチをした経緯から実現した。
『シン・ゴジラ』の劇中歌「Who will know」と『エヴァンゲリオン』でおなじみの「EM20」をアレンジした「TENSIONS - welcome to the stage」について高橋は、「“新しいステージへの挑戦をしてみたら?”と鷺巣さんに提案していただきました。高橋洋子だからこういう作品になった、と皆さんに自信をもってお届けできます」と笑顔で語った。また、鷺巣は楽器のために作られた劇半音楽のボーカライズについて、「あの曲はまさか誰も歌えないだろう、とチャレンジさえしなかったけれど、“灯台下暗し”で高橋さんがいました。ここまで作品と密着したうえで音楽を高める機会は中々ないけれど、こんなに近くにいた高橋さんの素晴らしさを改めて思い知りました」と高橋を絶賛した。
そして、今回のコンサートについて鷺巣は「メディアにはあまり出ない方なんですが、出るからには100%さらけ出して皆さんに楽しんでほしいと、その一心だけがこのコンサートへの言葉です」と真っすぐな言葉で述べ、高橋は「鷺巣さんの頭の中の世界や音楽がそこにあって、私はそこにいるチャンスを頂けて。もう、こんな機会はないと思います」と語った。さらに鷺巣は、「本来であれば合唱とオーケストラがいる中で、クラシックとポップスを歌える人たちを両方から引っ張ってこなければいけないのに、高橋さんがどちらもできてしまうなんて。唯一無二だと思います」と続けた。
また、「映画館で聞く音楽とコンサートに対しての音の作りの違いはどう意識したか?」という質問に鷺巣は「映画音楽自体が多様化していて、1つの側面ですけどとてもテクノロジーが発展しているので、モダン・フィルム・スコアというのはライブ向けではないんですよね」と話し、「最初の2か月は、どうやって映画の音楽をそのまま“再現”するか。そこからの2か月で、どうお客さんと“共有”できるかを考えながら進めました」とコンサートに至るまでを語った。さらに、コンサートにも欠かせないのが『エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』の監督を務め、コンサートのエグゼクティブ・プロデューサーを担当した庵野秀明の存在だ。鷺巣は、庵野監督について「準備を進めていく中、出してくれるヒントの言葉が的確で、このコンサートをブラッシュアップして頂きました」と明かした。
◎公演情報
【シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽】
日程:2017年3月22日(水)、3月23日(木)
会場:東京・Bunkamura オーチャードホール
エグゼクティブ・プロデューサー:庵野秀明
作曲・編曲・総監督:鷺巣詩郎
指揮:天野正道
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団
ゲスト演奏:エリック宮城(トランペット)、今 剛(ギター)、高水健司(ベース)、山木秀夫(ドラム)、宮城純子(ピアノ)
司会:林原めぐみ、松尾 諭
特別ゲスト:高橋洋子、和田 薫
キーボード:鷺巣詩郎
◎リリース情報
高橋洋子『Welcome to the stage!』
2017/3/22 RELEASE
KICM-1747 / 1,500円(tax out)
収録曲:
1.TENSIONS - welcome to the stage
2.Who will know - furusato
3.Who will know - 2017
4.Who will know - snedronningen
作曲・編曲:鷺巣詩郎/歌:高橋洋子