レーン上のすしの皿にはカバーが付いている(写真:くら寿司提供)

「バイトテロの場合は内部の人間であり会社の指揮命令下にいるので、迷惑行為に関する誓約書を書かせたり、スマホをロッカーに入れさせたりしてコントロールができるが、お客さんに対しては難しい」(石崎さん)

 そうしたなかで飲食業各社は対応に追われている。例えば、回転ずしチェーン「くら寿司」ではAIカメラを使った防止策を全店舗で導入する予定だ。同店は、客が一度取ったすしを無理やりレーンに戻す動画が拡散される被害を受けた。実は2011年から、子どもが触ってしまうことなども考え、すしの皿にカバーをつけてきた。さらにオーダーを受けた商品は高速レーンで運び、いたずらしにくいように二重の対策をしてきた。こうした努力をあざ笑うかのような動画に対して「悪意しか感じない」と同社広報・マーケティング本部長の岡本浩之取締役は憤る。

「さらに安心できるものにするため、従来レーン上部に設置していたAIカメラを、不審な開閉を検知できるシステムに改修しています」

※石崎冬貴の埼はたつさきが正式表記。

(編集部・高橋有紀)

AERA 2023年3月6日号より抜粋

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