確かに、安達のような俳優が脇役として出演するとストーリーがぐっと締まって面白くなる。かつては子役として一世を風靡(ふうび)した安達だが、上手に脇役にシフトできたことは、俳優としてプラスに働いただろう。

■子役イメージの払拭への苦悩

 本人にもその自覚はあるようだ。「メルカリマガジン」(20年4月15日配信)では、自分自身を「主演気質ではないかもしれない」と分析。主演に抜擢されないことが悔しかった時期もあったが、たとえ出番が少なくても輝くチャンスはどこにでもあるということに気づいたという。主役も脇役も役割に過ぎず、一つの作品という丸の中にスッポリとハマっている感覚で、そこから飛び出てやろうみたいな気持ちはなくなったと明かしている。こうした姿勢があるからこそ、しっかり脇に徹した演技も光るのだろう。

「演技に関しては、最初のころは『完璧に決めていきたい』と思っていたが、余白があったほうが現場で面白いものが生まれやすいと気づいたと、以前のインタビューで明かしています。ト書きで『ここで笑う』とあると、忠実になぞろうとしてしまい、それ以上のものが出てこず、本当の感情からはズレていく感じがあったそうです。その場面にふさわしい感情になっていれば、たとえ泣かなくてもいいと思っていて、そのほうが本質が見いだせるという旨を語っていました。役を演じるというより役を生きているという印象で、俳優としての存在感は増している気がします」(同)

 そこに至るまでには、子役のイメージを払拭(ふっしょく)できたことも大きい。週刊誌の芸能担当記者は言う。

「20代のころは迷走していて、役者として難しい時期だったとインタビューで明かしています。俳優を続けるにはどうすればいいか考えるなか、世間が持つ子役イメージを変えていく作業がいちばん難しかったとも。そこでまず、“身内”である事務所の人たちが抱くイメージから変えようと努力したそうです。それが奏功し、今は見事に子役イメージから脱却し、名バイプレーヤーとなったのは必然だったのかもしれません」

暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう
次のページ
「同期」はウッチャンナンチャン