ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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(c)朝日新聞社
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 今日は地方再生について。こんな記事が出てきました。

「政府は17日、地方創生の新たな総合戦略策定に向け、有識者会議(座長・増田寛也元総務相)に中間報告の骨子を示した。新戦略の柱として、短期滞在やボランティアなどさまざまな形で継続的に地域と関わる『関係人口』の拡大や、人工知能(AI)やビッグデータをはじめとする未来技術を活用したまちづくりを掲げた。23日に取りまとめ、6月に閣議決定する地方創生施策の基本方針に反映させる」(時事通信)

 またか、ですよね。若者の地方移住、老人の地方移住などとんと成果のない政策を打ち出されてきた増田先生が、今度は関係人口というファジーな数で成果を出そうと答申をまとめられている。

 ここには日本でしばしば問題になる点が象徴的に含まれます。

 この有識者会議が成果を上げてきたなら引き続き増田先生を中心にお任せすればいいのですが、ご存じの通り、地方の状況は彼らがこういう政策を打ち出してから約10年一向に改善していません。成功したことのない人(人々)に、次の政策をお願いするというのはどういうことでしょうか? やる気がない、癒着している、のどちらかですね。

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