ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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(c)朝日新聞社
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 統一地方選挙が終わりました。私のいる品川区などでも、羽田空港の増便撤回(増便すると大井町のど真ん中を飛行機が降りて来る)、子供たちの人権がないがしろにされている、などなど、まあ、もっともな公約を掲げているわけですが、驚いたのは品川区のみならず、日本全国、地元の財政改革を掲げている候補者がほとんどいないことです。

 僕は岩手県紫波町で仕事をしています。このままいけば10年程度で破綻するのは目に見えていて、基本的な社会保障はおろか、水道、学校、警察に至るまで維持不能になると明確にわかったからこそ今のプロジェクトを立ち上げたわけですが、これは全国の市区町村が抱えている問題です。東京でも、一部の区は潤沢な半面、いつ倒れてもおかしくない区もあります。この問題をパスする地方議員というのは信じられませんね。

 解決策は実は簡単です。私たちが紫波町でやっていることをやればいいのです。

 ポイントは二つ。まず貧しい人ではなく金持ちを呼ぶこと。年間300万円などを補助してUターンを促す政策を全国でやっていますが、東京で300万を稼げない人たちを呼んでも、その人たちが生活弱者として地元の財政を圧迫するのは目に見えていますね。呼ばねばならないのは、多額の納税をいとわない金持ちであります。

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