
平成元年にデビューし、来年1月をもって現役を引退する獣神サンダー・ライガー。平成の30年を駆け抜けた彼が思うプロレスの美学とは?
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覆面レスラーとして平成とともに東京ドームでデビューして平成が終わるとともに東京ドームで引退なんて、カッコよくね? カッコいいすよね、ハハハ。
3月6日のIWGPジュニアヘビー級王座に、若い石森太二(いしもりたいじ)選手(36)に挑んで敗れました。あの試合を通して、今まで自分が培ったテクニックはいくらでも生かせるけど、伸びしろがないとはっきりわかりました。
プロレスのリングに上がるということはテッペンを目指すこと。そのテッペンはベルトなんです。そのベルトに手が届く可能性がないとわかった時、じゃあプロレスラーとしてやる意味があるのかと思ったんです。
だけど、タイトルを取っても引退しようと決めてました。体力的にきつくなっていたのは事実。若いころ試合前はいつも「一丁やったろうか」という気持ちでリングに向かっていたのが、年齢を重ねるごとに「今日はちょっとしんどいなあ」とか「ケガしてて痛えんだよな」という気持ちが大きくなっていきました。