
「仕事ができれば着こなしは関係ない」という考えは今は昔。ファッションへの気配りはビジネスにもプラスになる。かっこよくスーツを着こなすコツを伝授する。
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「スーツについての悩みは何ですか?」。アエラスタイルマガジン・ウェブ版のスーツ世論調査では、そんな質問もしている。「ネクタイの結び方:11%」「Vゾーンの合わせ方:15%」「お手入れ方法:17%」といった回答を抑えて、圧倒的に多かった悩みが「サイズや着心地:57%」という回答だ。
年齢や職種を問わず、日本のビジネスパーソンの多くが、大きめのスーツを着てしまっている。一見してダブダブとわかるジャケットや、丈が長すぎて靴の上でヨレヨレに余っているパンツ。こうした着こなしをしている人が、いかに多いことか。
今年3月に出版した『仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。』という書籍は、そういったビジネスパーソンに贈る着こなしルールブックとして、私自身が執筆したものだ。
小さめに見えるスーツこそが、じつは適正サイズ。その書籍でも多くのページを割いて、正しいサイズの見分け方を説いている。それほど難しくない簡単な方法だ。ボタンを留めたときにシワのないジャケット。折り目が真っすぐにおりたパンツ。これが、適正サイズの見分けポイントである。
ジャケットが大きすぎると、ボタンを留めたときに縦に走るシワが出る。小さすぎるジャケットは横向きのシワが出る。パンツのサイズであれば、クリースと呼ばれる折り目がひざ下から蛇行しているものは、裾が長すぎ。簡単に見分けられるので、スーツ姿で本誌を読んでいる方はすぐに確認してみてほしい。
ジャケットの着丈は、どうだろう。男性の場合は、ヒップ半分、もしくは4分の3が隠れる程度。手を真っすぐにおろしたときに、スーツの裾を握れる程度という見分け方もある。
ただし女性のジャケットの場合、着丈の考え方が異なる。