人生を変えられてしまうほど 悪質なウソの被害の典型だろう。
時には相手を思ってつくウソもある。
都内の病院に勤務する医師の女性(47)は10年ほど前、末期の大腸がんの患者を担当したが、家族からの要望で本人には最後まで隠し通したという。患者はぎりぎりまで自宅で過ごし、急変して病院に運ばれた数時間後、 家族に看取られて旅立った。
「ご家族からはよい最期を迎えられたと感謝されました。今も、 あれはついていいウソだったと 思っています」
(ライター・浅野裕見子)
※AERA 6月11日号より抜粋