西野ジャパンにとって最初で最後の国内でのテストマッチは0-2でガーナに敗戦。初戦のコロンビア戦まで3週間を切ったなか、不安の残る結果となった (c)朝日新聞社
西野ジャパンにとって最初で最後の国内でのテストマッチは0-2でガーナに敗戦。初戦のコロンビア戦まで3週間を切ったなか、不安の残る結果となった (c)朝日新聞社
サッカー日本代表に選ばれた23選手(AERA 2018年6月11日号より)
サッカー日本代表に選ばれた23選手(AERA 2018年6月11日号より)

 5月31日、サッカー日本代表のロシアW杯に臨むメンバー23人が発表された。勢いのある若手の抜擢はなく、経験と実績が重視された。

【サッカー日本代表23選手はコチラ】

*  *  *

 期待は膨らんだのか──。ケガやコンディションの影響で当落が注目された本田圭佑、香川真司、岡崎慎司らが揃って選出された一方で、事前合宿に参加していた26人のメンバーからは井手口陽介(21、クルトゥラル・レオネサ)、三竿健斗(22、鹿島)、浅野拓磨(23、ハノーファー)と年齢の若い順から3人が落選した。

 よく言えば経験と実績が重視されたともいえるが、悪く言えば年功序列。ハリルホジッチ前監督の解任を受けて4月に就任した西野朗監督にとって選考前の試合が初陣となったガーナ戦(5月30日、横浜)しかなかったのは気の毒だったとはいえ、随分と弱気なメンバー構成になったと思ったのは筆者だけではないだろう。

 23人の大会開幕時の平均年齢は過去5大会を上回る28.2歳となり、4年前のブラジル大会と比べて1.4歳上がった。事前合宿のメンバー発表の際には、今季ポルトガルリーグで10ゴール12アシストと結果を出した中島翔哉(23、ポルティモネンセ)が外れたことを残念がる声も多かったが、最終メンバー発表でも勢いのある若手の抜擢などがなかったことに唇を噛んだファンも多いのではないか。

 突然の指揮官交代劇を受け閉塞感が漂っていたなか、メンバー発表の前日のガーナ戦に向け、西野監督は「選手の意識は大きく変わった。スピリットを持ち、ファイトする代表を見せたい」と意気込んだ。しかし、終わってみれば試合2日前に来日し、まだ疲れの残っていると思われたW杯アフリカ予選敗退の相手に新たにトライした3バックの新布陣が機能せず0-2と敗戦。試合直後の壮行セレモニーではブーイングも浴びせられた。

「いままでは悪い状況でも良い状況でもシステムを変えなかった。これからは、いろいろな状況で対応していく」

次のページ