ハイ、幹事さん注目。今春はひと味違う花見になるかも。主役はもちろん桜。だが脇役が変わったのだ。見た目は似てる? いやいや中身が違う。国産ビールがなんと“世界レベル”になったらしい。
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4月1日から施行された酒税法の改正で、ビールの定義が110年ぶりの大変更となった。今回変わったのは、(1)限定されていた副原料の範囲が大幅に拡大された──(2)67%以上とされていた麦芽使用比率が50%以上に緩和された──の2点だ。
要は決められた以外の副原料を使ったり、麦芽使用比率が67%未満であれば、これまでは「発泡酒」に区分されていたのだが、これからは「ビール」を名乗れる商品も出てくる、ということだ。もちろん税金もビール並みで、発泡酒よりも高くなる。すわ「増税のための策か」と勘ぐりたくもなるが、ちょっと待った。実は楽しみが広がるきっかけにもなりそうなのだ。どんな変化が訪れようとしているのか。
キリンビールマーケティング本部マーケティング部の部部長・田山智広はこう解説する。
「今回の変更で大きいのは、副原料の幅が広がったこと。メーカーとして消費者にワクワク感を伝えやすくなりました。もともとビールは“ワクワクする飲料”なんです。海外ではいろんな副原料を使ったビールが人気を集めています。日本でもワクワクするビールを提供できるようになりました」
同社は今回の定義変更にあわせ、レモンピールを使った新商品を開発。4月17日に期間限定で「グランドキリン ひこうき雲と私 レモン篇」として発売する予定だ。
「レモンの柑橘の風味と爽やかな余韻を『ひこうき雲と私』では生かしましたが、そうしたものが、これまでのビールでは提供できませんでした。堂々と『レモンビール』と呼べるものを実現しました」(田山)
さらに、今回の変更で麦芽の使用量が50%以上に緩和されたが、新商品の麦芽使用比率は100%近く。「ビールらしさ」を担保したまま、バリエーションを広げるため、普通のビールより高い麦芽使用比率にしたという。