ゲーム実況者わくわくバンド。左からフジ、フルコン、湯毛(ゆげ)、せらみかる、ヒラノ課長(撮影/篠塚ようこ)
ゲーム実況者わくわくバンド。左からフジ、フルコン、湯毛(ゆげ)、せらみかる、ヒラノ課長(撮影/篠塚ようこ)
この記事の写真をすべて見る
闘会議2018でプレーと実況を楽しむゲーム実況者わくわくバンド。ネット中継では拍手を表す「88888」の文字が飛び交った (c)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ、(c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.、撮影:編集部・竹下郁子
闘会議2018でプレーと実況を楽しむゲーム実況者わくわくバンド。ネット中継では拍手を表す「88888」の文字が飛び交った (c)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ、(c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.、撮影:編集部・竹下郁子

 ゲーム実況者が人気だ。ネットの動画文化のひとつだが、アイドル化しつつある。アニメソングでメジャーリリースを果たすほどだ。

【写真】闘会議2018でプレーと実況を楽しむゲーム実況者わくわくバンド

*  *  *

 プレーの腕を競い、大会の勝者にeスポーツのプロライセンスを発行するゲームの祭典「闘会議2018」が2月10、11日に千葉県の幕張メッセで開かれた。来場者数は7万2425人。最新のゲームからレトロなアナログゲームまで28のコーナーが設けられた中で、ひときわ長い観客の列ができていたのが「ゲーム実況者エリア」だ。ゲーム実況とは、自らゲームをしながらその解説をしたり、プレーヤーの様子を横で見ながら実況したりすること。その様子を撮影し動画投稿サイトでシェアされることで人気を博している。

 会場ではゲーム画面を大きなスクリーンに映し出して複数の実況者が横一列に並んでプレーしていた。「激しい激しい! 何がどうなっているのか」とバトルを盛り上げ、ミスをすると「これ、みんなが陥るやつですね」と観客への共感を示しながら、「でもこのボタンで直せますから」と知識も共有してくれる。

 解説だけでなく、合間のトークも抜群に面白い。ゲーム実況者は男性が多いのに対し、観客の多くは10~20代の若い女性だった。実況者が登場するたびに歓声が上がり、手でハートをつくって実況者の名前を叫ぶ女性も。ゲームイベントというよりも、アイドルのコンサートや人気お笑い芸人のライブという趣だ。

「友だちがゲームしているのを後ろでダラダラ見ているのって楽しいじゃないですか、その感覚です。実況もみんなどんどん上達していくので、成長の過程が見られるのもいいんですよね」

 そう興奮気味にゲーム実況の魅力を語ってくれたのは、会場に来ていた女子高生(17)。応援する実況者を生で見るために愛知から1人で上京してきたという。

 ゲーム実況動画の主戦場であるニコニコ動画を運営するカドカワによると、17年の世界ゲーム配信動画市場は46億米ドル、日本円にすると約5060億円にものぼり、市場は今後も拡大し続けると見られている(「ゲーム実況グローバルマーケットレポート2017」)。

次のページ