経営者に聞いた「歴史書バイブル」　仕事に役立つヒント満載

●MS＆ADインシュアランスグループホールディングス社長 グループCEO（からさわ・やすよし）

（1）徳川家康　
聡明さと忍耐力を持ち、虎視眈々と天下を取る機会を狙い、江戸幕府を築いた。未開の地であった江戸・関東を、治水や築城、貨幣開発などで鋭い先見性を発揮し、今日の繁栄につなげる
（2）明治維新　
政治・行政・経済活動の全ての面で大きく転換、発展する契機となった
（3）『家康、江戸を建てる』（門井慶喜）　
徳川家康の人を見る目と未来を予測する力が克明に描かれている
（4）大久保利通　
強い信念と卓越した政治力で、日本の高度成長を支えた近代の官僚制度や行政組織の礎を築いた
（5）河井継之助の言葉「不遇を憤るような、その程度の未熟さでは、とうてい人物とはいえぬ」

●丸紅社長　國分文也（こくぶ・ふみや）
（1）石原莞爾
好きな人物ではないが、興味ある
（2）第2次世界大戦　
さまざまな組織のリーダーがどのように決断し行動したのか、その本質にあるものは何かなど、戦後世代の自分にとっても興味深い
（3）『史上最大の決断』（野中郁次郎・荻野進介共著）
第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦という世紀のミッションで、決断を下すプロセスや組織のあり方、リーダーシップの本質が描かれる
（4）勝海舟
卓越したバランス感覚と胆力を備え、大局観を持って激動の幕末、明治初期を生き抜き、偉業を成し遂げた姿に感銘を受ける。洒脱な人物像にも好感が持てる

（5）『マキアヴェッリ語録』（塩野七生）に登場するニッコロ・マキアヴェッリの名言は示唆に富んでいる