手元の外側の輪がハンドル。内側の輪がアクセル。アクセルをはなすとエンジンブレーキがかかり、減速していく仕組みだ。足元には後輪用のブレーキペダルとサイドブレーキがある。皆川さんは、先輩が運転するターレーの荷台に1週間ほど乗って、感覚をつかんだという。
現在、築地市場で使われているターレーは2千台強。その93パーセントが電動のため、ターレー利用者にとって「充電」は命綱だ。そのため、実は場内のあちこちに、一般人立ち入り不可の「充電基地」が設けられている。正門に隣接する立体駐車場2階の充電基地を取材に行くと、そこには充電専門係のスタッフ数人が待機していた。
1台をフル充電するのに8時間ほどかかる。運転者が帰宅前に持ち込むターレー約400台を翌朝市場が動き出すまでに使えるようにするために、充電済みとそうでないものを手際よく動かして、さばいていく。ターレー本体の側面に直接、充電用のプラグを差し込む方式で、巨大なスマートフォンを充電しているようにも見えた。