藤田晋社長やテレビ朝日から出向中のバラエティー番組プロデューサーなど10人で、毎週行われている。ある日の会議ではメンバーそれぞれが企画を持ち込み、順にプレゼン。男性社員の提案には10秒ほどの沈黙の後、

「それ、面白くなる?」

「画はオシャレなんだけど、中身がねぇ」

 と、率直な意見が矢継ぎ早に飛んだ。唯一の女性の出席者、横山祐果さん(32)は言う。

「フックがあって誰かに話したくなる、SNSでシェアしたくなる企画を目指しています」

 サイバーエージェント時代はスマホゲームのアプリのプロデューサーとして、「ガールフレンド(仮)」などのヒットを飛ばした実績を持つ。

 例えば、横山さんが企画とプロデュースを務める、女子高生と男子高校生・大学生の恋愛リアリティーショー「オオカミくんには騙されない」。放送開始は17年2月。男子は最低でも1人、うそをついているという、カードゲーム「人狼」的設定を取り入れて、女子高生を中心に爆発的な人気に。

 横山さんがしたことは、「尖った」企画で男性視聴者が多かったAbemaTVに、女性が共感できる要素を入れること。実際に女性視聴者が増え、AbemaTV視聴者は現在、男性61%、女性39%。今後は20〜30代の女性にも受け入れられる恋愛ドラマやリアリティーショーの制作により力を入れるため女性スタッフを増やしている。(編集部・竹下郁子)

AERA 2017年11月13日号より抜粋