老後資金や子どもの教育資金――。お金の悩みは尽きない。マイナス金利の今、貯金だけじゃダメだと分かっているけど……。金融商品に下手に手を出して金融機関の言いなりになって損をすることも。こんな時代だからこそ、本当の投資を教えます。AERA 10月9日号では「資産運用」を大特集した。
老後の費用や子どもの教育費──。お金の不安は尽きない。マイナス金利の今、貯金だけじゃダメだと分かっているけど……。金融商品に下手に手を出して金融機関の言いなりになって損することも。10月4日は投資の日。本当の投資教えます。
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「本業で稼いだほうがストレスはたまりませんし、投資した銘柄はなかったものとして考えるようにしています」──。
そう語るのは都内でコンサルタント業を営む男性(44)。元大手外資系証券で株のトレーダーをしていた。会社を退職した後、2013年の冬頃に、新興市場の個別銘柄とETF(上場投資信託)合わせて200万円を投資した。
「ITやスマホゲーム、バイオ関連企業の株を買いました。当時これらの銘柄は成長分野として期待されていて、10~20%くらいは上昇するだろうと見込んでいたのです」(男性)
ところが、株価を下げる予想外のニュースが報じられ、バイオ関連企業の株価は軒並み大暴落。売却できず“塩漬け”の状態になった。トータルで約150万円の含み損が出てしまったという。
「新興市場の銘柄は、当たれば大きいが外れたときの損失も大きい。欲をかいていたのかもしれません」(同)
将来に対する不安を払拭しようと、退職金を一気に投資したのが間違いのもとだったと振り返る。
焦るあまりに…
小誌では9月上旬にアエラネットの会員を中心に「資産運用に関するアンケート」を実施し、72人から回答を得た。<あなたのお金の悩みは何ですか?>という質問に対して、断トツで1位だったのは老後の費用、2位は子どもの教育費、3位は介護費用という結果となった。
「老後資金をためなければ、と焦るあまり、やってはいけない投資をしてしまう人を多く見かけます」
こう語るのは、経済コラムニストの大江英樹氏だ。
「成功者の話を鵜呑みにして分散投資をせずにリスクを取りすぎたり、金融機関の販売員の言いなりになって仕組みが理解できない商品に手を出したり。いざという時にお金が足りなくなっては本末転倒です」(大江氏)