WELQ騒動では、語尾を一瞬で変えたり、単語ごとに言い換え候補が出てきたりするリライトツールの存在も取り沙汰されたが、リライト行為は、著作権法上どこまで許されるのか。
本誌連載中の稲垣えみ子さんの文章を、リライトツールで書き直した次のケースを見てほしい。
【オリジナル】
<暖房なしの冬も6年目ともなれば恐怖を感じることもなく慣れたものなんですが、何しろ相手は「寒さ」という巨大な存在。何年たっても対策が尽きることはありません。
で、今年になって「こりゃスゴイ!」とハマっているのが「こんにゃく湿布」。昔から伝わる健康法だそうで、方法は実に単純。こんにゃくを10分間しっかり茹でてタオルでグルグルくるみ、おなかや背中にしばらく置いてじんわりと内蔵を温めるのです。>「無口なやつがほぐれホカホカ眠りにつく」稲垣えみ子のアフロ画像(AERA 2017年1月2-9日号合併号)から
【リライト】※ダブルクォーテーションで括った箇所がリライト部分
<暖房なしの冬も6年目ともなれば“恐れ”を感じる“といった”こともなく慣れたもの“ではあります”が、何しろ“ターゲット”は「寒さ」“といった”巨大な存在“です”。何年たっても“作戦”が尽きることは“ございません”。
で、“目下”「こりゃスゴイ!」とハマっているのが「こんにゃく湿布」。昔“より”伝わる健康法だそうで、“やり方”は実に“シンプル”。こんにゃくを10分間“よく”茹でてタオル“にて”グルグルくるみ、おなか“とか”背中にしばらく置いてじんわりと内蔵を温める“というわけ”です。>
微妙にニュアンスを変えているが、これは明らかに“パクリ”に見える。稲垣さんご本人に聞くと、
「そもそも『暖房止めて6年』ってとこが最大のオリジナル(笑)。それをパクった時点でどう見てもアウトでは?」