カリフォルニア中をくまなく回り一日数カ所で演説する超過密スケジュールをこなすバーニー・サンダース(左)。対するヒラリー・クリントンは「私が民主党候補になることはもう決まっている」と発言、トランプ叩きに焦点を合わせる(右)(撮影/長野美穂)
カリフォルニア中をくまなく回り一日数カ所で演説する超過密スケジュールをこなすバーニー・サンダース(左)。対するヒラリー・クリントンは「私が民主党候補になることはもう決まっている」と発言、トランプ叩きに焦点を合わせる(右)(撮影/長野美穂)
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 米大統領選で、民主党の指名候補争いのヤマ場となるカリフォルニア州予備選。サンダース、クリントン両陣営からは支持者たちの本音が聞こえてきた。

 全米最大の票田、カリフォルニア州の予備選が6月7日に迫る。世論調査では、民主党の候補、ヒラリー・クリントンとバーニー・サンダースの同州での支持率はほぼ互角。民主党の牙城であるカリフォルニアでの勝敗は大きな鍵を握るだけに、連日、熱戦が繰り広げられている。

「トランプを倒せるのは、我々しかいない! 我々はラディカルだと批判されるが、マイナーチェンジではもう満足できない人間がこれだけいるんだ」

 同州のベンチュラで、1万人の観衆に向かってサンダースがそう叫ぶと「バーニー!」と大歓声が応える。まるで野外ロックコンサートのようだ。

●大統領が目的 嘘は聞き飽きた

「Feel The Bern」というサンダース陣営のスローガンを手描きしたTシャツを着て演説を聴くのは、アラナ・マッケーナリー(30)。芝生の上でTシャツをめくり、1歳の息子ダニエル君に授乳しながら言う。

「トランプの集会でこうして胸を出してお乳なんか飲ませたら、つまみ出されてるはず」

 サンダースが「理想と革命を語るだけの社会主義者だ」と批判されると、その度に「社会主義的政策のどこがいけないの? あなたは年金や公立学校などの公共サービスの恩恵を全く受けないの?」と反論してきた。

 バーテンダーの彼女は、国が定める有給の産休・育休制度のない米国で育児する経済不安を感じ、公立大学の授業料無償化を訴えるサンダースを支持する。

「トランプは女性蔑視と人種差別の塊」だと語る彼女だが、予備選でもしサンダースが負けても、本選では決してクリントンには投票しないと断言する。理由は「大統領になるのが目的のヒラリーの嘘は聞き飽きた」。

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