棋風はとにかく攻め。劣勢をひっくり返す勝利が多く、「逆転の謝」と呼ばれる。対局に追われる生活だが、趣味で始めたヒップホップダンスは、大会に出るほどの腕前。3年前には2人のイケメン棋士と音楽ユニット「MONOTONE」を結成してCDデビュー。プロモーションビデオでは、ダンスやハスキーな歌声も披露して、多彩な才能を発揮している。

 3月には女流名人を8連覇。女流本因坊をあわせた通算タイトルは20を数える。同じ台湾出身で名誉天元の林海峰九段は、その強さをこう話す。

「一般的に女子は男子より攻め好きなのですが、そのなかでも、際立ってアグレッシブ。タイトル戦にもびっくりするぐらい強い。最近は読みや大局観も身についてきた。男性棋士との勝負にも期待したい」

 ただ、最近は勝率が一時より落ちてきている。昨年、一昨年は負け越した。5歳で囲碁を始め、14歳で入段、17歳で初タイトルと、女流の歴史を塗り替えてきた天才が壁にぶつかっているのは間違いない。
 
 20歳の自分と今の自分が、もし五番勝負をやったら、どちらが勝つでしょうか? 謝さんはちょっと考え、こう答えた。

「20歳の私が3連勝です。十番勝負なら分かりませんが」

AERA  2015年4月27日号より抜粋

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼