小保方晴子さんがSTAP細胞の発表をした会見(14年1月) (c)朝日新聞社 @@写禁
小保方晴子さんがSTAP細胞の発表をした会見(14年1月) (c)朝日新聞社 @@写禁
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 科学の信頼を失墜させることとなった、STAP細胞論文騒動。理研などが信頼回復に向けて動きだす一方で、この騒動が学生には意外な効果を与えていると言う。

 4月1日、野依良治氏から理化学研究所の理事長職を引き継いだ松本紘氏が記者会見。「理研や科学への信頼を取り戻す」と決意を表明した。メディアの関心は、STAP細胞論文問題で失った信頼を新理事長がどう回復していこうとしているのかに集中した。

「現場を歩き、どういう問題があるのか聞いて、何ができるか考える」と松本氏。京都大学総長時代、200項目以上の改革を行った経験を生かす意欲を見せたが、難しさもこう吐露した。

「不正が起こらないようにするのは大前提だが、科学は自由な発想が大切。萎縮するのは困る」

 一方、ある国立大教授は、「小保方(晴子)さんの教育効果は絶大」と、STAP細胞論文問題の意外な「効果」を指摘する。実験ノートをきちんとつけるように繰り返し注意しても、なかなか聞かなかった学生が、理研の小保方元研究員のノートがメディアで公開されて以来、まじめに書くようになったという。

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