住まい革命ペアレンティングホーム現在3カ所の「ペアレンティングホーム」を管理運営する不動産会社「ストーンズ」(川崎市)の細山勝紀社長によれば、完成すると部屋はすぐに埋まる状態だという(撮影/高井正彦)
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ペアレンティングホーム

現在3カ所の「ペアレンティングホーム」を管理運営する不動産会社「ストーンズ」(川崎市)の細山勝紀社長によれば、完成すると部屋はすぐに埋まる状態だという(撮影/高井正彦)
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 最近注目されているシェアハウス。なかには、特定のコンセプトを設けたものもある。

 東京都杉並区。JR阿佐ケ谷駅から徒歩6分の住宅街に立つシングルマザー専用のシェアハウス「ペアレンティングホーム阿佐ヶ谷」。4組8人の母子が今、一つ屋根の下でともに暮らしている。

「他のママたちにもちょくちょく保育園へのお迎えをお願いしています」

 5歳の娘と入居している女性(39)は笑顔で話す。女性は一昨年3月から2年間、同じ不動産会社が管理運営する川崎市内のペアレンティングホームで暮らしていた。もともと夫との別居を考えていた時、娘と2人で暮らせる住まいを探していて、ネットで「シングルマザー」で検索すると「ペアレンティングホーム」がヒット。直感的に「ここだ」と思い、申し込んだという。

 同じ境遇にある母親同士、自然と支え合うようになっていった。女性の娘は保育園に通っているが、女性が仕事で遅くなった時は入居者の誰かがお迎えをしてくれたのだ。他にも、ご飯を食べさせてくれたり、風呂に入れてくれたり。逆に、女性の時間がある時は、入居者の子どもの保育園のお迎えなどをした。そして、阿佐谷に新たにペアレンティングホームがオープンすると、職場にも近く、街の雰囲気も気に入って移り住んだという。

 このシェアハウスの広さは延べ201平方メートル。10~20平方メートルほどの個室が五つあり、それ以外は共有スペース。家賃は月8万~10万2千円で、2万円の共益費には、シッターが夕飯を作り子どもの遊び相手もしてくれる週1回のチャイルドケアワーカー代も含まれる。

AERA 2014年4月21日号より抜粋