1月8日に誕生日を迎え、31歳になったばかりの金正恩(キムジョンウン)氏。党で働いた経験すらロクにないまま父・金正日(キムジョンイル)総書記の死(2011年12月)で最高指導者の椅子に座った「急造の首領様」である。北の指導部は国民に彼を「世界中から崇められる絶世の偉人」と洗脳すべく、あの手この手を駆使する。
核・ミサイル開発と、日常的におこなわれる公開処刑。昨年12月には「政権ナンバー2」の叔父・張成澤(チャンソンテク)氏が「反革命罪」で処刑された。張氏の部下も次々と姿を消し、党や軍幹部への思想点検が続いている。「それが北朝鮮という国だ」といえばそれまでだが、正恩氏とはどんな人間なのか、各国情報機関が関心を持つのは当然だ。
北朝鮮メディアでの、年上の幹部を引き連れた彼の写真や映像は、肥満体を見せびらかすように両手を腰の後ろで組んで見せたり、ところ構わず煙草を吸ったり、部下を怒鳴りつけたりと、「いかにも偉そうな振る舞い」ばかりだ。