金利も株価も低迷するなか「お得感」が増しているのが株主優待だ。「利回り」が10%以上の銘柄や、限定グッズが手に入る銘柄も。30万円以下の投資で入手できる、お得な優待を数々紹介する。

 株主優待は、企業が株主に対して商品やサービスなどを提供する制度だ。会社が定める「権利確定日」に株を保有していれば、優待がゲットできる。

 ただ、株主になるには元手がいる。日本ケンタッキー・フライド・チキンや味の素など、100万円以上ないと買えない銘柄もあるが、ボーナスでも手の届く銘柄は200以上ある。ファンケル、ヤマハ、タカラトミーなど、10万円以下で株主になれる銘柄もある。

 優待を現金に換算して配当と合算し、「配当+優待の利回り」を出してみた。すると「配当+優待」の利回りが10%以上の企業は、GMOインターネット、カスミ、TOKAIホールディングス、ポイント、ハニーズ、ビックカメラ、アトムと7社ある。現金換算できない優待を持つ企業でも、「宿泊費50%割引」「上限10万円で10%割引」など、お得感が強い優待の銘柄が多い。

 吉野家ホールディングスの「300円サービス券10枚」、カッパ・クリエイトホールディングスの「525円の優待券10枚」、新商品や定番商品が多く入ったハウス食品やサッポロホールディングスの商品詰め合わせも、家計に優しい優待だ。

 主婦に人気なのはミニストップの優待だ。

「株主総会で、主婦の方から『ソフトクリーム無料券は本当にうれしい』と声が上がることもあるぐらい」(同社広報)

 株価は権利確定日の1カ月前ごろから上がり始めることが多い。権利確定日の直前にあわてて買うと、高値づかみしてしまうリスクがあるのだ。優待に詳しいストックボイス副社長の岩本秀雄さんは、こう指摘する。

「権利確定日の2~3カ月前からウオッチして、安いと思うタイミングに買うのがいい」

AERA 2012年10月8日号