騒然となった現場
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本誌が入手した機関銃と銃の写真
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 指定暴力団神戸山口組傘下の古川組の古川恵一組長(59)が”ヒットマン”とされる朝比奈久徳容疑者に射殺された事件の犯行状況が明らかになってきた。

【写真】本誌が入手した銃の写真

 現場となったのは、兵庫県尼崎市の飲食店前の路上。古川組長は親族が営んでいる店に頻繁に訪れていたという。

「朝比奈容疑者は、店にいた古川組長に声をかけたようだ。外に出てきた古川組長を確認すると『ちょっと親分』などと声をかけて、車に戻り、自動小銃を取り出し、古川組長に向かって発射。10発以上を発射し、ほとんどが命中。古川組長は、即死に近い状態だった」(捜査関係者)

 その後、朝比奈容疑者は白い神戸ナンバーの軽乗用車に乗り、高速道路で、京都に向かった。兵庫県警は、すぐさま朝比奈容疑者の車のナンバーを緊急配備。京都府警が、京都南インターチェンジ出口付近で停車している車を発見した。

「兵庫県警が手配したのと同じナンバーの車を京都府警が発見。一人で運転席にいた朝比奈容疑者に職務質問すると、回転式けん銃をもって降りてきて、銃口を警官にむけた。それを制止しようと声をかけると、朝比奈容疑者は車に戻り、今度は古川組長銃撃に使用したとみられる自動小銃まで持ち出した。だが、いきなり銃2丁を路上に放り投げたため、取り押さえた」(前出の捜査関係者)

 京都府警南署に連行された朝比奈容疑者は、取り調べに対し、次のように供述しているという。

「古川組長を撃った。すべて自分一人でやった」

「全部で20~30発、撃った」

 京都に来た理由についてはこう話している。

「神戸山口組の幹部で京都にいる組長を襲撃する目的でやってきた。京都南インターチェンジで高速を降りて、どちらに向かえばいいかと思っていた時に、職務質問された」

 朝比奈容疑者はかつて神戸山口組の中核組織、山健組傘下の組員だったという。

「2015年に山口組が分裂したときに、六代目山口組側の組員となった。だが、昨年12月5日に破門状が出され山口組から去らざるを得なくなった。朝比奈容疑者はかたくなに『一人でやった』と話している。だが、2丁のけん銃や逃走用の車両を用意するなど、計画的な犯行で、朝比奈容疑者がかつて在籍した組は、弘道会がある愛知県にある。六代目山口組から何らかの支援があった可能性もある」(前出の捜査関係者)

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