天皇陛下の即位を広く披露する「即位礼正殿の儀」には、世界各国の代表らが参列する。お隣の韓国からは、文在寅(ムンジェイン)大統領ではなく、李洛淵(イナギョン)首相が参列予定。日韓関係が悪化するなか、韓国から誰が派遣されるかに注目が集まっていた。
「文在寅大統領が行かないことに特段の意味はない。平成のときも韓国からは首相が参列していたし、今回は米国もトランプ大統領ではなくチャオ運輸長官ですし、中国でも習近平ではなく国家副主席ですから」
と話すのは、韓国在住のノンフィクションライター、菅野朋子さんだ。
「ただ、韓国の記者によると、文在寅と李洛淵のどちらが行くかを最後まで話し合っていたようです。日韓問題で少しでも妥協案があれば文在寅が行ったかもしれませんが、徴用工問題では平行線をたどり、土壇場で李洛淵に決めたと聞いています。今回の李洛淵のミッションは、『韓国側にも関係を改善したい意思がある』と日本側に伝えることだと韓国メディアは見ています」
李首相は、東亜日報の新聞記者として1990年に東京駐在特派員を経験。政治家に転身してからは、韓日議員連盟で活動していたため、日本では「知日派」として知られる。
今回の訪日では、安倍首相主催の夕食会に出席し、安倍首相と会談する見通し。大統領からの親書を手渡す可能性も報じられている。関係改善の糸口を見つけることはできるのか。
元駐日韓国大使館公使の洪(ホン)ヒョンさんは、李首相が知日派と呼ばれることに首をひねる。
「先日辞任した曺国(チョグク)氏を法相として文在寅大統領に自分が任命を請求したと、李洛淵は認めている。文在寅も曺国も徹底した反日派。文在寅と李洛淵は、曺国を法相に任命した共同責任が問われる立場にある。そんな李洛淵が『知日派』と言えるだろうか」
洪さんは、新聞記者時代の李首相に会ったことがあり、その人物評はこうだ。