関西電力の八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)を含む役員ら20人が関電高浜原発が立地する福井県高浜町の森山栄治元助役=3月に90歳で死去=から、約3億2千万円分の金品を受け取っていた問題を今年3月、告発していた“文書”を本誌は入手した。
金品を提供していた、高浜町の森山元助役は3億円以上もの資金を地元の建設会社「吉田開発」から得ていたことが金沢国税局の税務調査で明らかになっている。
今年3月10日の日付が振られた告発文書はいきなりこう始まる。
<このたび、関西電力が第2の日産にならぬよう、岩根社長に忠言いたします>
カルロス・ゴーン元会長の逮捕で揺れる、日産自動車スキャンダルを引き合いに出している。そして、森山氏が関西電力に提供してきた資金を調達してきたとされる高浜町の建設会社、吉田開発を名指し。
<吉田開発の脱税、森山氏に対する利益供与だけであれば、国税の査察も入り既に解決~安堵されているやも知れません。以下の大罪があげられます>
<(吉田開発から森山氏に)利益供与された金が、関西電力の八木会長をはじめとする原子力事業本部、地域共生本部などの会社幹部に還流されていたこと>と今回の関西電力の大スキャンダルを、ずばり指摘しているのだ。
そして告発文書は、<大罪に関与した一連の幹部について、その地位をはく奪し、職務から追放><「裏」の世界と決別すること>と関西電力が責任を取るようにと記し、株主総会でケジメをつけるべきと求めている。
関西電力のある社員がこう話す。
「吉田開発、森山氏に税務調査が入っていることはかなり前からうちの幹部は把握していた。バレないと思っていたようですが、国税は甘いものではなかった。それでもバレないと高をくくっていたら、あっと驚く告発文書がまかれたと、社内でウワサになったのは今年の株主総会くらいだった」
しかし、関西電力は金沢国税局の税務調査からの指摘で修正申告には応じたが、公表はしなかった。