退職後の年間生活費420万円のなかに税金や社会保険料が入っているとしても、それほど多くはないでしょうから、退職前後で生活水準はほとんど変わらないことがわかります。
それでも年間420万円の支出は大きな金額です。公的年金の年間受給額を300万円と多く見積もってもまだ120万円の不足が生じる計算です。
そこでこの支出の削減が必要になるのですが、みすぼらしい生活をするのでは意味はありません。生活水準を下げないで、“生活費の水準”を下げる努力が必要なのです。
そのために、私は地方都市への移住を推奨しています。山辺にログハウスを建ててといった田舎に引っ越すことを考えているのではなく、地方の中核都市でも十分に生活費を下げて、生活水準を下げない生活ができます。
例えば県庁所在地の都市でも東京23区と比べると、消費者物価は7%ほど低く、家賃は6割も安くなっています。
読者の皆さんも、今からでも遅くはありません。もう少し物価の安いところに引っ越してみませんか?
※週刊朝日 2019年7月12日号