米国から高額で購入することになった地上配備型迎撃ミサイルシステム、イージス・アショアを正当化する狙いがあるのではないか。
イージス・アショアの価格は、当初は1基800億円とされていた。それが1340億円に膨らんだ。
イージス・アショアは、秋田、山口両県に2基配備して、日本全体をカバーする計画である。しかし、導入経費は30年間の維持・運用費などを合わせて、2基で約4664億円。ミサイル発射装置や用地取得費を含めれば、さらに膨れ上がる。
強力な電磁波による健康被害も心配され、攻撃対象になる可能性も否定できない。そして、高額すぎて、自衛隊に必要な防衛装備品を購入できないという、自衛隊内部からの不満も聞こえてくる。
当時から、高額の米国製武器を購入せよ、というトランプ氏の強い要求に対する配慮、つまりトランプ氏へのごますりではないか、という見方が強かった。対米追随の典型例だというわけだ。
しかし、事態が大きく変わった。はっきりいって、いまやイージス・アショアの購入の必要はないのではないか。
もっと言えば、イージス・アショアの購入を正当化するために“北朝鮮の脅威はこれまでになく重大かつ差し迫っている”などと強調しているのではないか。
※週刊朝日 2018年9月14日号