ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、サッカー、ワールドカップの日本-ポーランド戦を取り上げる。
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ご多分に漏れず『にわかサッカー観戦者』(ただし独りで、静かに)と化している私ですが、Jリーグ発足時の常軌を逸したサッカーフィーバーに続き、あの“ドーハの悲劇”を目の当たりにさせられた『非サッカーファン』にとっては、どうしても「どうせまた最後に……」というネガティブな想像をしてしまいます。私の場合、その後日本がワールドカップ初出場を決めた“ジョホールバルの歓喜”とやらを、海外にいて知らないため、ドーハの記憶が書き換えられないまま現在に至っているのです。ジョホールバルと聞いても、女性ホルモンを多量摂取する老舗ニューハーフ店のママの顔しか思い浮かびません。
それにしてもネットもメディアも、本田選手に対する『手のひら返し』を自虐的に扱うことで、あれほどまでに人格すら否定するようなひどい物言いをしていたのをちゃっかり正当化しているのが非常に胸クソ悪い。日の丸を背負っている人には節操は関係なしなのでしょうか? 私がいまいちサッカー好きになれない理由がまさに集約されています。とりあえず本田圭佑さん、貴方はホントに男前です。カッコイイ!
てなわけで、たった今、日本vs.ポーランド戦が終わりました。なんとも珍しいものというか、もはや素人が茶々を入れられる次元ではないような気もしますが、この妙なもどかしさを世間はどう感じ、そして処理しているのか。もちろん独りで観たので分かりません。相変わらず渋谷のスクランブル交差点には人が溢れているようですが。