日本企業も、中長期的な企業価値向上の動機付けとなるよう、株式報酬や業績連動報酬などのしくみを整えつつある。04年には、自社株を一定価格で買える権利を与える株式報酬型ストックオプションが導入された。12年に株式交付信託、16年に譲渡制限付株式報酬など、様々なしくみが登場している。
譲渡制限付株式報酬は経営陣に現物株を与える制度。自社株の値上がりや値下がりを意識しやすいと指摘されており、導入企業が増えている。短期的に株価をつりあげて売り抜けられないよう、譲渡制限期間がついている。
野村証券の5月末時点の集計によると、ストックオプションを採用する企業は前年比7%減の600社だった。一方で、譲渡制限付株式報酬は同2.8倍の338社に増えている。この株式報酬の採用企業は日本が2割足らずに対し、米国は6割超もあるという。日本でも今後、導入を考える企業が増えそうだ。(本誌・浅井秀樹)
※週刊朝日 2018年7月13日号