もうひとりは、大人げない部門のトリというかオチとなる板尾創路。不倫疑惑で報道陣から女性との関係を問われ、「ご想像にお任せします。想像してください」と答えました。たかが色恋沙汰を血相変えて探る恥ずかしさを浮き彫りにした見事さを称えつつ、「それ以上突っ込む気をなくさせる切り返し方で賞」をお贈りしたいと思います。

■大人な発言に救いと希望を!

 大人げない発言に呆れて一年を締めくくるのは寂し過ぎます。大人な発言にもスポットを当てて、来年に向けての救いと希望を見いだしましょう。

 離婚を発表した小倉優子は、ブログに「誰かを悪く思う負の感情を持ちながら生きるより、プラスな感情で生きていきたいと思いました」と綴りました。昔はこりん星がどうしたとか言っていたあのゆうこりんが……という感慨に浸りつつ、「離婚に限らず常にそうありたいと教えられたで賞」をお贈りしましょう。

 父親が覚醒剤を使用した疑いで逮捕された浅野忠信は、ツイッターに「息子が刑事役やってる時にお父さんは何考えてんでしょうか?!」と、あえて明るい書き込みをして、並々ならぬ大人力を見せつけました。「踏ん張り力と各方面への配慮にうならされたで賞」を贈呈いたします。

 すっかり人気タレントになった将棋加藤一二三九段も、最後の対局を終えたあと、ツイッターに誠実で大人なコメントを書き込みました。「積み重ねてきたキャリアの貫禄が感じられるで賞」ということで。

 巨大な力と、そして世間の偏見とも戦っている伊藤詩織さんの「隠れなければならないのは被害者ではない」という言葉は、深い感動を呼びました。謹んで「その強さが苦しんできた女性に勇気を与えたで賞」を贈らせてください。

 同じく巨大な力に果敢に立ち向かって、たくさんの「嘘」や「忖度」の存在を明らかにしてくれたのが、前川喜平・前文部科学事務次官。「圧力につぶされずに発言した勇気がアッパレで賞」をお贈りします。

 大人げない発言を反面教師にし、大人な発言を模範にして、2018年を実り多い一年にしましょう。

週刊朝日  2017年12月29日号

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?