またグーグルによれば、IRAに関連する二つのアカウントが4700ドル(約53万円)の広告を購入し、ユーチューブに18のチャンネルを開設、1108本の映像を投稿していたという。

 3社はいずれも大統領選以降、外国からの選挙干渉を防ぐために全力で取り組み、再発防止策を講じているとアピールしたが、公聴会に出席した議員からは「対応はいまだ不十分」との意見が相次いだ。特に、工作活動に各プラットフォームの広告が利用されたことが問題視された。政治広告の資金提供者の素性をすべて把握できているのか、ロシアの機関が「ルーブル」で政治広告を購入していたのになぜ工作に気づけなかったのか、他国による広告を利用した選挙干渉を規約で禁じていないのはなぜか、といった質問に、議員を納得させるだけの回答は出てこなかった。

 この3社が今回明らかにした事実だけでも相当な工作が見て取れる。米国のプラットフォーム事業者が世界を席巻したことが、他国にネットを通じた世論工作を可能にさせてしまったのだ。3社に対する世間の目は今後よりいっそう厳しくなるだろう。

週刊朝日 2017年11月17日号

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