二条大橋から北へ5分ほど歩いた鴨川の午前6時30分ごろの風景。野生の鴨がウォーキング
二条大橋から北へ5分ほど歩いた鴨川の午前6時30分ごろの風景。野生の鴨がウォーキング
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早朝から拝観できる人気寺社(週刊朝日 2017年10月27日号より)
早朝から拝観できる人気寺社(週刊朝日 2017年10月27日号より)
昼飲みできる居酒屋(週刊朝日 2017年10月27日号より)
昼飲みできる居酒屋(週刊朝日 2017年10月27日号より)
西陣地区周辺の町家ゲストハウス(週刊朝日 2017年10月27日号より)
西陣地区周辺の町家ゲストハウス(週刊朝日 2017年10月27日号より)

 観光都市・京都で最新トレンドをなぞる旅はもったいない。住生活コンサルタントの大久保恭子氏は「“外す”旅のほうが何倍も面白い」という。

【フォトギャラリー】外しの京都 早朝6時に観光、銭湯、昼飲み!

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■ホテルを“外し”て町家で自炊
 定番の観光スポットに行くなら、昼から朝へ時間を〝外す〟のがコツです。京都の見どころは、ズバリ午前6時に光り輝く。昼間の観光名所はどこも、人や車で混雑し、お土産を売る店がやたら多くて騒がしい。

 早朝こそ、名所がストレートに五感に訴えかけてくるのです。私が知人を清水寺へ引率したときは、前夜の飲みすぎに注意し、午前6時の現地到着を目指したところ、3番目の入場でした。奥の院、成就院など境内全体が視界におさまり、このお寺の少し複雑な骨格をはっきりとつかむことができました。

 帰り道の三年坂から高台寺にかけてのお土産屋が連なる道、八坂神社から花見小路までの繁華街は店のシャッターが閉まり、人影もないので、通りや町の本来のたたずまいを見ることができます。ゴチャゴチャ感が一掃されると、町はここまで美しくなるのかと、感心することしきりでした。

 早朝拝観できる寺社は、実は結構あるのです。参考までに、開門時間が早い順にいくつか挙げておきましょう。

 早朝、寺社巡りの後のお勧めは、昼飲み!です。どこで飲むか?と尋ねられたら、私は迷わず「居酒屋」と叫びます。疲れた夜ではなく、まだ元気が残っている昼下がりに、おいしいものをつまみつつ、ちょい飲み、といきましょう。その季節の旬のものを、気取らず庶民的かつシンプルな味付けで、多品種のメニューを、安く、お客に提供しようという心意気を持つ大将、女将の顔が見える居酒屋にこそ、京の食文化は引き継がれていると思っています。 昼飲みできる居酒屋をいくつか挙げてみました。

 京都らしい暮らしに触れてみたい方には、ホテルや旅館を“外し”て、台所付き町家で、自炊しながら滞在するという手があります。

 京都の町家は年々減少傾向にあります。京町家まちづくり調査によると、2016年度は08.09年度に比べて約11%が滅失し、約14%が空き家となっています。町家を大切な観光資源とする京都市は、ゲストハウスへ転用するための補助を積極的に実施しています。その影響で町家ゲストハウスが増えているのです。

 お勧めの京都らしい暮らしは以下の4条件を満たすこと。

1.「下町にある」
 下町には、気取らない庶民の暮らしが根付いています。代表的なのは上京区の西陣地区です。

2.「商店街が近い」
 商店街は生活文化の発信源。歩くだけで京都の暮らしが垣間見えます。減少しつつも、どっこい、生きているのは今野商店街、錦市場商店街(観光客が多い)、三条名店街商店街、京都三条会商店街、古川町商店街、四条繁栄会商店街、出町桝形商店街、大将軍商店街、北野商店街、などです。各商店街はホームページを公開しているので詳しくはそちらを。

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