気がつけば、テレビCMには俳優・ムロツヨシが引っ張りだこ状態。今や“バリバリのイケメン”ではなく、“チョロッとイケメン”に女子の心は傾いているらしい。これも3高(高収入・高身長・高学歴)ではなく、4低(低姿勢・低リスク・低依存・低燃費)志向という世相の表れなのか。
ちょっとなんだ。なんなんだ。俳優・ムロツヨシが席巻する2017年。いわゆる“脇役の人”なのだが、今年に入ってから大手電機メーカーのテレビCMに石田ゆり子(これまたモテ期再来の女優)と夫婦役で出演したり、大手製薬会社の男性用スキンケア製品のCM、マンガアプリのCMにも登場したり。大手飲料メーカーのCMでは「カモねカ~モね♪」と舞い踊るツヨシ。
ラーメン髪、くりくり眼、しっかりした骨格。いわゆる正統派イケメンではないのだが、人に親近感を与える、チョロッとイケメンな感じが世の女性にも男性にもウケているらしい。今年4月にインスタグラムを開設したところ、フォロワーは19時間で36万人を突破。現在は100万人に迫る勢いだ。
ムロツヨシといい、大泉洋といい、濱田岳といい、近年“脇役・二枚目半”の大躍進が目立つ。この3人に共通しているのは、「タオル」と「焼きそばのヘラ」が似合いそうなことだと筆者は思う。頭にタオル、首にタオル。住んでいる地域の町内会の祭りで汗をにじませながら焼きそばを焼いている姿が似合いそう。「2皿ちょうだい」と言ったら、「あいよ、喜んで!」と言ってくれそう。子どもが所属するサッカーチームでもお父さんコーチをつとめていそう。そんな“ご近所さん”な香りが女性の心をつかむのか。
「やっぱりホッとするんですよ、女性は。ムロさんとかは見ていて安心感があるじゃないですか。よく『美人は飽きる』と言いますが、イケメンすぎると顔ばかりに目がいって、暑苦しいでしょ(笑)。適度に整った顔で、三枚目もできる男性って女性にとっては“癒やし”。癒やしを求める女性が多い時代なのかもしれませんね」
と、コラムニストの山田美保子さんは語る。