「これは人災です。監督は彼に全力疾走を禁止していましたけど、全力疾走してはいけない故障を抱えた彼を起用していたこと自体が問題ですからね」
日本ハムの大谷翔平(22)の故障欠場に関し、ベテラン野球記者はこう憤る。4月8日のオリックス戦で緩いサードゴロを放って一塁に全力疾走する途中で彼の左足に起きた異変は“左大腿(だいたい)二頭筋肉離れ”。全治4週間と報じられた。
「あの日の栗山監督は顔面蒼白でした。右足首の故障(三角骨による痛み)があって左足を故障したわけで、かばって壊したのは明らかですからね」(前出記者)
昨年暮れに右足首を痛め、今年2月、WBCメンバーから外れた大谷は、主に野手として開幕に間に合わせ、ここまでDHとして8試合に出場。打率4割7厘、2本塁打、3打点という活躍ぶりだった。
「投手としての調整が遅れ、故障者が多いチーム事情から、球団は大谷を野手メインで起用するつもりだったのでしょう。規定打席をクリアさせ、打撃タイトルを取らせたかったんじゃないかな。最多勝のタイトルを取った大谷が野手のタイトルも取れば、二刀流の成功を記録として残せますからね。そこで晴れてメジャー挑戦、と考えていたのでは」(スポーツ紙デスク)
インフルエンザにもかかり、5月末から始まる交流戦のころと言われていた復帰も遅れそうだ。
「太もも裏の故障は再発する可能性が高く、爆弾を抱えての復帰は慎重を期すべきだ。現実的に考えて、大谷が今季マウンドに立つのは難しいでしょう。調整する時間も余裕もないはず」
こう推測する前出記者は、大谷が右足首の手術になぜ踏み切らないのか不思議がる。WBC欠場を決めた時点で手術をすれば6月には復帰できただろうに。
「日ハムはメジャーから注目される大谷を腫れ物のように扱い、とにかくリスクを避けたがる、とも言われてますし、メジャー球団は日本の医療を信用せず、手術は日本で受けなくていいと言ってる、という情報もあります」(前出デスク)
そこで某メジャー球団スカウトに聞いてみると……
「早く日本で手術したほうがいい。万全な状態でメジャーに挑戦してもらいたい」と至極真っ当な答え。情報が交錯しているのだ。今回の故障で「今オフのメジャー行きは無理」と見る向きが多い一方、「それでも大谷は今オフ、海を渡る」という声もある。
「日ハムも栗山監督も大谷を抱えているプレッシャーから解放されたがっていて、早くメジャーに行ってほしいと思っているらしいですからね(笑)。何より、当の大谷が近しい人に、来季のメジャー挑戦を匂わせているそうで……」
※週刊朝日 2017年4月28日号