安倍昭恵夫人の“忖度”案件が尽きない。
3月27、28日、「第2回全国高校生未来会議」というイベントが、参議院議員会館内で行われたが、共同発起人で初日に挨拶するはずだった渦中の昭恵氏はドタキャンした。イベントは、全国から選抜された高校生100人が、社会や政治家に提言するアイデアコンテストだ。昨年の第1回では、文部科学省と総務省が後援し、安倍首相自身が参加し、内閣総理大臣賞の授与を行う豪華さだ。
主催者である一般社団法人リビジョン代表、斎木陽平氏は25歳の若者だが、首相の遠戚というのだから、疑惑の目が向けられた。
昭恵氏のフェイスブックでは、公邸で斎木氏と打ち合わせする様子が写真とともにアップされていた。斎木代表は28日に取材に応じ、疑惑についてこう答えた。
「昭恵さんは『迷惑をかけるようなことがあってはならないので、今回はご遠慮させて頂きます』とおっしゃっていました。首相の遠戚と父から聞いており、(首相の父の)晋太郎さん時代、僕の祖父が後援会長というご縁はあります。文科省への圧力をかけたという報道が出たので、電話で昭恵さんに確認しましたが、『一切していません』と。ただ、フェアに申し上げると、僕は文科省の役人が忖度したのか、否か、わからない」
もう一つは、公益社団法人日本国際民間協力会(NICCO)への“忖度”疑惑だ。
事の発端は、2月11日、京都大学で行われたシンポジウム。NICCO理事の松井三郎京都大学名誉教授が講演し、驚きの告白をした。NICCOがケニアで行っている、し尿と排便の環境リサイクル式トイレである「エコサントイレ」の普及プロジェクトの活動費を増やすため、首相官邸の事務室で昭恵夫人に陳情。すると事態が動いたという。
「あの人(昭恵氏)、すごいですね。その晩に首相と話をしてですね、首相からすぐ連絡が入り、今年、予算8千万円をもらいました。ご夫婦のホットライン、すごいですね」(松井氏の講演から)