笑顔で話す小池百合子・東京都知事(右)と二階俊博・自民党幹事長 (c)朝日新聞社
笑顔で話す小池百合子・東京都知事(右)と二階俊博・自民党幹事長 (c)朝日新聞社
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 本誌では「都政のプロ」ら11人の協力を得て、都知事に就任して3カ月経った小池百合子氏を採点した。政治力や行動力・リーダーシップは4、発信・パフォーマンス力に至っては満点の5と好評価。しかし、問題解決力に関しては多くの関係者が首を傾げた。一体、なぜなのか。

▼政策立案力:3
 パフォーマンスの巧みさとは裏腹に、政策立案力については未知数の部分が大きい。都職員OBで地方自治に詳しい中央大学の佐々木信夫教授はこう指摘する。

「この3カ月は豊洲市場、五輪施設など都政の問題点を指摘して犯人捜しをする『都政改革』が中心でしたが、本来必要なのは『東京大改革』のはず。進む高齢化や待機児童対策など、地味でも都民にとって必要な分野で具体的な政策を打ち出し、他道府県のモデルとなるのが首都自治体の本来の役目です。『占領軍』のように外部の人材で固めた調査チームに頼るより、足場のしっかりした、職員の力を引き出せる実務者型のブレーンを副知事に据えて政策を立案させるなど、もう少し安定した都政運営が必要ではないか」

 小池氏の独自政策といえば、ライフ・ワーク・バランス改善のため、都庁の職員に「8時退庁」を呼びかけたことが挙げられる。都庁総務局人事部職員がこう説明する。

「都庁は8時15分に消灯となりましたが、またつける人がいるため、8時30分、45分と3回、消灯時間があります(笑)。時間内に帰るため効率的に仕事をするのは大変ですが、早く家に帰ろうという雰囲気は確実に出てきた。良い試みだと思いますよ」

“ヒット”かと思いきや、そう現実は甘くないようで、こんな指摘もあった。

「五輪や豊洲の問題で野党からバンバン資料請求がくるため、仕事は増えるばかり。野党議員に何度もダメ出しされ、病気になってしまった担当課長もいる。8時に退庁しても結局、持ち帰り仕事になったり、土日に出勤したりしている」(都庁関係者)

 政策面については次のような指摘が複数あった。

「来年度予算案に注目しています。都庁では概算要求の説明が11月初旬から始まり、各局がどういう予算をまとめているかがわかる。それを元に、年明け早々には知事原案が発表される。小池氏の真価が問われます」(自民党都議)

 勝負はこれからということで、「3点」とした。

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