
白シャツにデニム。飾らず、潔い装いは、戸田恵梨香自身の姿勢とも重なる。
江戸時代の離婚事情が描かれる、映画「駆込み女と駆出し男」では、夫の暴力から逃れて離縁を求める「じょご」を演じた。これまで多彩な作品に出演し、役の幅は広いが、意外にも時代劇は初めて。
「時代劇は、型にはまった印象があって抵抗感があったんです。でも、実際は違っていましたね。新たな経験になりました」
役者として常に挑戦し続けることを自らに課している。きっかけとなったのは、超能力を持つ刑事が当たり役となった、ドラマ「SPEC」の存在がある。
「“当麻”のイメージが強すぎて、似たような役が増えたり、自分の芝居にも癖が出たりして。変えなければ、と思ってさまざまな役に挑戦しています」
あと3年で30歳の節目を迎える。胸に抱くのは、その時に自分がどんな俳優になれるのか、という思いだ。真っ白な気持ちで、進化し続ける。
※週刊朝日 2015年5月29日号