「子どもの貧困」が広がっている。厚労省が毎年行っている国民生活基礎調査に「相対的貧困率」によると、2012年度の調査では、子どもがいるひとり親世帯に限ると54.6%で、実に「2人に1人」という状況だ。
NPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」が運営する「夜の児童館」に通う小学6年生の女子児童(12)は、親にお金のかかることを求めないという。母子家庭で、生活保護を受けながら区営住宅で暮らすが、「うちは貧乏なんだ」と気づいたのは3歳のころだ。
病気がちの母(50)が、「お金がないなあ」とため息をついた。友達が自動販売機で缶ジュースをポンと買ってしまうことに驚いた。必要な費用が払えず、大好きだったチアリーディングも続けられなかった。常に周囲との差を感じてきた。
「友達みんなが持ってる雑誌を読んだこともないのに『持ってる』とウソをついたこともあります。学校で自分の意思をちゃんと表現できないかんじ」。だんだんと内にこもるようになり、不登校になったこともある。
「本当はもっといっぱいやりたいことがある。でも母には言いません。恨んだこともない」
国際的に見ても、日本の子どもの貧困率は高い。経済協力開発機構(OECD)の10年のまとめによると、日本は加盟34カ国中、10番目に高い15.7%。子どもがいるひとり親世帯に限ると、事態はより深刻で、50.8%に跳ね上がる。加盟34カ国の中で、ワースト1だった(平均31.0%、韓国は未算出)。