藤子・F・不二雄氏による人気漫画「ドラえもん」。その魅力のひとつが、ドラえもんが四次元ポケットから取り出すさまざまなひみつ道具たちだ。それらはドラえもんが誕生した22世紀の道具だが、現在のニッポンの科学技術を駆使し、似たものが生まれてきている。

 空を自由に飛びたい! そんな夢を実現した道具が「タケコプター」だ。体につけると、簡単に空を飛ぶことができる。

「コレを使えば、ある程度自由に飛ぶことはできると思いますよ」

 と話すのは、ゲン・コーポレーションの柳沢源内社長だ。コレとは、柳沢社長が開発した1人乗りヘリコプターのこと。世界最小のヘリとして、ギネスに認定されている。

 タケコプターと比べるとまだ大がかりだが、空飛ぶ道具としては、非常に簡素だ。スキーのリフトにプロペラがついた姿を想像するとわかりやすいかも。高さ約2.5メートル、重さ約75キロで、750万円で販売中。ただし、日本では航空法によりさまざまな制限がある。

「性能的には最大時速40~50キロで進み、上空1500メートルまで上がることができます。草刈り機と同じエンジンなので、メンテナンスも簡単」(柳沢社長)

 アクセルを回すと、オートバイのエンジンをふかしたような音をたてながら、2枚のプロペラが回り、フワリと浮かんだ。
「大空を飛ぶのは子どものときからの夢でした。より気軽に飛べるモノをつくりたい」(同)
コンビニまでひとっ飛び。そんな時代はすぐそこだ。
週刊朝日 2014年1月17日号