消費税の税率が2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられる。特に悩ましいのが、影響をまともに受ける高額商品である自動車の「買い時」。ガリバー自動車研究所の鈴木詳一所長がこう語る。
「自動車は不動産よりも価格が変動しづらく、『駆け込み需要』に合わせて値段が上がっていくことはない。逆に、需要が集中して市場が活性化しているときこそ、値引き交渉の最大のチャンスと考えていい」
どういうことなのか。自動車ジャーナリストの遠藤徹氏が説明する。
「日本の自動車業界は8社の主要メーカーがひしめき合っており、競争が激しい。『駆け込み需要』が盛り上がると、少しでも顧客を取り込もうと“値引き合戦”になる。増税前に買ったほうがお得なのは間違いないでしょう」
遠藤氏によれば、200万円程度の車の場合、交渉次第で10万円以上も値引きできるという。この交渉に大きく影響するのが購入の時期。果たして消費増税前の「買い時」はいつなのか。遠藤氏が続ける。
「9月や3月など、販売店が売り上げをたてようとする決算直前が値引き交渉の最大のチャンス。となると、最初の増税の直前となる14年3月など、各社の値引き合戦になるのではないか。このタイミングでモデルチェンジ直後の古い型などを狙えば、かなりの値下げが期待できる」
※週刊朝日 2012年11月16日号