Webルーミングは現在、世界の全取引の44%を占め、ショールーミングと合わせて67%がオンラインとオフラインのハイブリッドになっています。現代の消費者を商品の購入に導くには、オンライン、オフラインの両方で接点が必要になっているのです。我々はクライアントにその双方についてのマーケティングメソッドを提供し、オンラインとオフラインの相乗効果を追求しています。

――イワンさんとコトラー教授はどういう経緯で知り合い、共同執筆されることになったのですか?

 私がコトラー先生と初めてお会いしたのは2005年のことで、先生が『シンク・アセアン』という著書を書く際、私が所属しているコンサルティング・ファーム「マークプラス」のヘルマワン・カルタジャヤ会長の指示でお手伝いすることになったのがきっかけでした。

 ヘルマワン会長はアジア各国で活動するマークプラスの創業者であり、アジア・マーケティング連盟名誉フェローでもあって、アジアを代表するマーケッターの一人です。会長自身は1998年に最初にコトラー先生とお会いして意気投合し、その後、『コトラーのマーケティング3.0:ソーシャル・メディア時代の新法則』(朝日新聞出版)など、数冊の著書を共同執筆しています。

 先生は『シンク・アセアン』のときの私の仕事が気に入られたようで、次に『コトラーのマーケティング3.0』を書かれる際、「共著にしないか」と声をかけてくださったのです。

――実際にコトラー教授と一緒に仕事されて、どのような印象を持ちましたか?

 コトラー先生はご高齢ですが、とても頭がよく、「切れる」方だと感じます。同時にとても謙虚な方でもあって、常に人から学ぶ姿勢を忘れません。ペンと小さなノートを携帯し、多くの人と会話しながら、気にかかった言葉や浮かんできたアイデアを書き留めています。そのアイデアが数ヶ月後に一冊の本になることもあります。

 先生に多くの共著があるのも、「自分の名前だけを前面に出そう」といった考えが全くないからで、全ての人とともに本が書ける方だと思います。

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どう役割分担して本を作ったのか?