2017年もいろいろなニュースが世の中を騒がせたね。ニュースは、内容を知るだけでなく、自分の意見を持つことも大切だ。そこで、一つのテーマを取り上げて、正反対の二つの意見を紹介してみたよ。キミはどっちの意見に軍配を上げるか、考えてみてね。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』のキャラクター、コビンが、原発再稼働について朝日新聞編集委員の上田俊英記者に聞いてみた。

2017年9月に始まった愛媛・伊方原発の1号機の廃炉作業の様子 (c)朝日新聞社
2017年9月に始まった愛媛・伊方原発の1号機の廃炉作業の様子 (c)朝日新聞社

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 福島第一原発事故後、日本の原発は一時すべて止まったが、安倍政権は原発はこれからも欠かせないとして、再稼働を進めている。原子力規制委員会は、2017年1月には佐賀・玄海原発(2基)、5月に福井・大飯原発(2基)の再稼働を認めたが、安全性への懸念などから反対運動も起きている。

 4~6月には、運転開始から40年が過ぎた5カ所6基の原発の廃炉計画を認可。福島第一原発の事故後、新規制基準の下で廃炉が認可されるのは初めてだ。廃炉には二十数年、1基あたり約350億円かかり、放射性廃棄物の処分先は決まっていない。

【福島原発事故 国の責任認める判決】
 全国各地で福島第一原発事故の避難者が国や東京電力を相手に起こしている裁判で、3月に前橋地裁が初めて国の責任を認め、賠償金の支払いを命じる判決を出した。9月の千葉地裁は、大津波を予見できたとしたが責任は認めず、10月の福島地裁は責任を認めた。

■原発再稼働に賛成? 反対? 専門記者に聞いてみよう!

コビン:原発がなければ電力は不足するの?

上田:そんなことはないよ。福島の原発事故のあとしばらくは、原発が一基も動かなくても電力は足りていた。それでも電力が必要だと考えるなら、原子力から風力や太陽光への切り替えを進めればいい。世界全体を見れば、原子力は横ばいなのに、風力や太陽光は増えている。

コビン:それなのに、国や電力会社が原発にこだわるのはどうして?

上田:大きな理由はお金だ。電力会社は電気を売らないとお金が入らない。そして、原発を1基つくるには4千億円前後のお金がかかっている。だから、風力や太陽光発電の施設をつくるより、原発を再稼働したいんだ。でも、原発の新設は難しいから、いつかは風力や太陽光などに切り替えるときが来る。国や電力会社は、その準備をすべきだと思うよ。

<賛成意見>
・再稼働しなければ電力が不足してしまう
・安全対策もされたし、大きな原発事故はもう起こらない

<反対意見>
・原発事故がまた起きたら大変だ
・風力や太陽光に切り替えるべき

 君の軍配はどっち?

※月刊ジュニアエラ 2018年1月号より

ジュニアエラ 2018年 01 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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