首都圏の公立一貫校は、現在、東京に11校、神奈川に5校、千葉に3校、埼玉に2校がある。今年は、新たに、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高附が開設された。同高校は09年の開校当初から人気が高く、文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定されている。理系に特化した教育が特色。初年度の応募者は、男子450人、女子235人で、男子が圧倒的に多かった。競争率は男子が10.8倍、女子が5.7倍だった。

「男女合わせて8.2倍の競争率は、初年度にしては低めですが、高校のレベルが高く、理系科目が苦手な子どもたちから敬遠されました。また、近隣の横浜市立南高附や入試日が同じ浅野と競合したためでしょう。トップ校の栄光学園や聖光学院との併願者もいたと思われます」(山中さん)

 公立一貫校は各校で独自の教育を打ち出している。例えば、小石川中教は理系教育を柱に据え、白鴎高附は授業に日本の伝統文化を取り入れている。桜修館は論理的思考力を育て、武蔵高附では環境や社会問題を扱う地球学を設定している。

 難度は、母体校の評価が反映されるケースが多い。東京では、前身が小石川高の小石川中教が最も難度が高く、武蔵や渋谷教育学園渋谷などの難関私立中との併願者も多い。16年春には東大に14人(現役9人)が合格し、都立一貫校トップの実績だった。

 高競争率なのが千代田区立九段中教だ。今年も一般枠が8.3倍で、他校と比べて頭ひとつ抜けている。立地の良さと、学習面での面倒見の良さが評価されている。

 首都圏では、19年にさいたま市立大宮西高校を母体として中等教育学校の設置が予定されるなど、今後も公立一貫校が増える動きがある。

 公立といっても各校で特色が異なる中高一貫校。学費の負担が少ないから選ぶのではなく、教育内容をよく調べて学校選択をしてほしい。

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アエラムック教育編集部

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柿崎明子
ライター 柿崎明子
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