「もし気分転換の内容に困ったら『何をしているときが楽しい?』と聞いてみてください。ショッピングやトランプなど、ささいなことでいいのです。何が気分転換になるかは子どもによって全然違います。ある子どもは1月後半に学校を休んで勉強をしたところ、ストレスがたまりすぎてしまった。この子にとって学校で友だちとたわいないおしゃべりをしてケラケラ笑うことが最高の息抜きになっていたのです」
もし不安に押しつぶされそうになったことが原因でメンタル面が不調になっている場合は、どのように接すればよいのでしょうか。
「まずは不安な心の内を引き出してあげてください。よくよく話を聞くと『落ちたら塾の先生に申し訳ない』とか、自分にかかっているお金を案じて心が縮こまっている子もいました。子どもは大人が思いもよらないことで悩んでいるもの。そしてその気持ちは点が上がることでしか回復することはできないのです。過去問題など、時間配分に余裕を持たせて解き直させ、合格点に達していることを確認しましょう」
子どもだけでなく、親も不安で視野が狭くなりがちな直前期。親自身のメンタルはどう整えたらよいのでしょうか。
「『自分が受験生である方がよほどラク』と言うように、受験生のサポートは本当に大変なことです。しかし、子どもからすると煮詰まっている親ほど重いものはありません。『自分はいっぱいいっぱいで何も手につかない』と思うかもしれませんが、あえて自分の時間をつくって少しでもリフレッシュすることが大切です。お料理でも手芸でも軽くスポーツでも何でもいいのです。お母さんの笑顔を見るだけで、子どもはふっと余計な力を抜くことができます。その方が安心して勉強に取り組めるし、受験当日も平常心で臨めると思います」
『AERA with Kids 冬号』ではその他に、「子どもの気持ちを安定させる魔法のテク」や、「受験直前の過去問の解き進め方」など、具体的な学習法を数多く紹介しています。受験直前期、「やるだけやった」と思えるような具体的な学習とメンタルテクニックをぜひ参考にしてみてください。