子どもに得意になってほしい教科といえば、やっぱり算数だろう。母親が勉強を見てあげるのも、算数がいちばん多いのではないだろうか。

 一方で、実は算数に苦手意識を持つ母親が多いのも事実。かくいう筆者も、算数は苦手。小4の娘に算数を教えるときは、ついイライラが爆発してしまうことも。『AERA with Kids 夏号』(朝日新聞出版)では、算数が苦手なママでもできる、子どもの算数力アップの方法を紹介している。その方法とは?

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 中学受験専門塾で人気のアテナ進学ゼミの宮本毅さんによると、算数が苦手な子には、3つの特徴があるという。

1.計算に時間がかかる
単純に計算に時間がかかる、計算ミスが多い、というほか、「文章題を解いている途中で計算をしたら、計算につまずいて全体がわからなくなっちゃった」という子が多い

2.数や量が感覚的につかめていない
1リットルや1キロメートルが実際にどれくらいの量や距離なのかが実感としてつかめず、「この問題で何を問われているのか」が把握できない。そうすると、文章題に出てきた数字を適当に当てはめて計算してしまい、とんでもない答えが出てきても間違いに気がつかない

3.考える前に「わからない」とすぐに投げ出す
図形や少し複雑な文章題など、「答えがすぐに見つからない問題」が出たときに、解く前から諦めてしまう子。「よーし、なんとか解いてやるぞ」という気持ちがわきにくい

 ううむ、どれもわが娘に当てはまっている。

 そのようなとき、算数苦手な母親ほど「問題をたくさん解かせなくちゃ」とあせるが、母親が必死になればなるほど子どもは「算数って難しい」と思い込んでしまうと、と宮本さんは警鐘を鳴らす。

 ではどうしたらいいのか?

 息子をジュニア算数オリンピックの金メダリストに導いた和田聖子さんは、「本当は私自身が算数が苦手だったんです」と明かす。そのために和田さんが行ったことは、とにかく息子が算数嫌いにならないように、「算数を生活の中で親しむ」こと。この方法なら、子どもは「やらされている感」を感じずに楽しみながら算数感覚を身につけることができるという。

 同様の提案をするのは、幼児さんすう総合研究所代表の大迫ちあきさん。大迫さんが主宰する算数教室では、折り紙や積み木などを使って楽しみながら「考える力」を育てているという。

 誌面では具体的な算数力アップの方法がいろいろ紹介されているが、筆者が娘に実際に試して有効だったものを5つ紹介しよう。

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AERA dot.編集部
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