私が考える理想的な学びの人数は、教室においては6人から12人程度。6人より少ないと意見の多様性に触れる機会が少なくなってしまい、コミュニケーションの幅も狭くなります。逆に12人を超えると一つの授業で全員の個性に配慮し、意見をピックアップすることが難しくなります。講師の技量や教科の内容、学びの種類によって適正人数は違いますが、オンラインで同じような授業を作ろうとすると、私の感覚では8人を超えるとかなり難しくなる印象です。

 オンラインでは、相手のコンディションや細かい表情の変化、生徒同士の関係などを見極めるのは難しくなります。また、リアル授業では、生徒が同時に発言してもうまく対応できますが、オンラインでは同時に発言したり声が重なったりしたときに、音声を立体的に捉えることができず、応答に手間取ってしまうことがあります。講師が一人一人に適切なタイミングで問いかけをするためにも8人以下が理想だと思います。

2.目や脳の疲労に気を配る

 子どもたちが画面を見続けることへの疲労感を考えることも大切です。当然、教室が暗いのはNGです。オンライン授業では講師の顔が暗くてよく見えないケースも散見されます。顔や表情も大事な情報です。また、画面を見る事で教室よりも集中できる反面、目や脳の疲労も教室とは随分違いますし、姿勢も悪くなりがちです。

 音声や画像が途切れたりすることへのストレスも看過できません。こちらのメッセージが物理的に届いていない可能性があるわけです。お互いにそういったことへの配慮が必要な状況であることも、疲れやすさにつながっていると考えられます。

 これらを解消するために、教室では1時間に10分だった休み時間を、オンラインでは、話題を変えるタイミングを調整して、小まめ5分ずつ取るようにしています。また、あえて手もとの本や資料に目を移すワークを入れたりすることも、目の疲れを軽減する効果があるようです。

次のページへ大人が挑戦して学ぶ姿勢を見せる
1 2 3