小学生のケアレスミスというと、勉強が難しくなってくる中学年以降に起こるイメージですが、意外と1年生や2年生でも、宿題のプリントやテストを見ると、惜しい間違いがちらほら……。親からすれば「なんでこんなところで間違うの?」と思いがちですが、筑波大学附属小学校で算数を教える山本良和先生は、ケアレスミスは誰にでも起こると言います。「AERA with Kids夏号」(朝日新聞出版刊)では、よくあるケアレスミスや間違えてしまう原因、それらの防ぎ方を取材しました。
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山本先生によれば、低学年の算数でよく見かけるケアレスミスには次のようなことがあげられます。
◎解答をとばす
低学年の子が解答をとばすのは、難しい問題を後回しにして解き忘れたのではなく、そこに問題があることに、全く気づいていないのです。親からすると理解しがたいですが、まだテストの形式に慣れておらず、問題用紙の解答欄をキッチリ埋める習慣ができていないためなのです。
◎くり上がり・くり下がりを忘れる
低学年の子の計算ミスに多いのが、くり上がりのあるたし算やくり下がりのあるひき算。九九もそうです。できたと思っても、テストや宿題のプリントでミスが出てきて……。何度も練習を重ねたり、学習方法を工夫したりして、基本の計算をしっかり定着させることが大切です。
◎単位をつけ忘れる
単位をつけ忘れているのではなく、問題の意味を正しく理解していないのだとか。プリントやテストでは「今日はたし算」などと内容が決まっていて、数字も大概二つしか出てきません。3と4が見えたら3+4=7と書くけれど、単位を書くという行動につながらないのです。
◎式を書かずに答えだけを書く
問題をよく読まない低学年の子に多いのが、思い込みによるケアレスミス。絵や図のイメージだけで、たし算だと思い込んだり、「あわせて」「のこりは」といったワードだけで判断したり。式だけでなく、筆算や途中式も書くことで、思考を振り返ることができます。