20年度の初年度納付金(回答があった203校)の全国平均は、89万8437円。19年度は86万3199円だったので、授業料や施設設備費の値上げが影響し、若干上昇傾向にある。学校別にみると、都市部の学校やインターナショナルスクール型の学校では学費が高い傾向にある一方、宗教系や大学などを有する学校法人に属する学校では、その母体である教会や学園からの支援で学費が安いところもある。
高額の費用がかかる私立小だが、「一部の富裕層の子どもたちが通うのが私立小、という時代はとっくに終わった」と飯田さんは言う。
「少子化で両親とそれぞれの祖父母が一人の子どもの受験を経済面で支援するので、六つのポケットがあると言われています。しかしいまや、おばが『姪っ子に自分の母校である私学で学んでほしい』などと、金銭的に支援する親族が増え、10ポケットとも言われています。また、私立小に子どもを通わせる母親が専業主婦に限られていたのも昔の話。保護者が共働きの家庭も当たり前で、珍しくありません」(飯田さん)
そうした時代の変化があらわれているのが「昼食」だ。本誌の調査では、昼食に「弁当持参」の学校は25%で、「給食」または「弁当持参と給食の両方」が75%。原則弁当持参でも、仕出し弁当の注文を受ける学校も増えている。
また、放課後の学童保育・アフタースクールに力を入れる学校も増えている。室内温水プールやサッカー場、音楽室などの施設・設備を活用した習い事ができる学校も多い。帰宅時間は遅くなるが、最寄り駅まで教員が付き添うなど安全面への取り組みも怠らない。
(文/アエラムック編集部)